地域の話題

こども病院の「地元応援団」 ボランティア活動再開

病棟で中澤君の髪をカットする山本さん

 安曇野市豊科の県立こども病院で本年度、新型コロナウイルス禍の影響で中断していた院内でのボランティア活動が本格的に再開した。患者に直接触るため、再開のハードルが最も高かったヘアカットのボランティアも、10月からスタート。美容師が病棟で子供たちの髪を切り、家族からも喜ばれている。

 10日は、豊科田沢で美容室を営む山本志保さんがボランティア活動をした。新生児病棟では、篠﨑陽ちゃん(1)の髪を手早くカット。抱き上げて看護師とあやした母親の真理子さん(39)は「生まれてからずっと入院していて切れなかったので、本当にありがたい」と感謝していた。
 第1病棟では、中断前にもカットをした中澤維斗君(11)=豊科南小学校6年=の散髪をした。山本さんは「大人になったね」と成長を喜びながら眉を整えたり洗髪をしたりし、母親の加代さん(47)は「まさかまた切ってもらえるなんて」と喜んでいた。
 こども病院では消毒や読み聞かせ、楽器演奏など、地域住民ら約70人がさまざまなボランティア活動に取り組む。5月に新型コロナの感染症法上の分類が5類に引き下げられたことから、患者との接触が少ない活動から徐々に再開させてきた。
 同病院のボランティアコーディネーター・百瀬絢子さんは「直接的な医療行為ではないが、子供たちや家族の心のケアになっている」とボランティアの存在の大きさを語る。
 既存のボランティアへの参加や、新たな活動の提案なども受け付けている。問い合わせはこども病院(電話0263・73・6700)へ。

連載・特集

もっと見る