地域の話題

神楽獅子継承へ稽古に熱 与川の白山神社 15日例祭で披露 保存会 新顔2人加え

本番へ向け練習を重ねる保存会員たち。新会員の2人も太鼓の練習に励む

 南木曽町読書の与川地区の住民らでつくる与川神楽保存会は、地元の白山神社の例祭(15日)などに合わせた披露に向けて与川神楽獅子の練習を重ねている。今年は約10年ぶりに新会員が入り、初めての本番となる。メンバーの高齢化が進む中、従来と披露の形を変えるなど工夫もしながら、伝統をつないでいくよう会員は決意を新たにしている。

 与川神楽獅子は町無形民俗文化財で、江戸時代の寛政年間(1789~1800)に加賀白山(現石川県)から伝わったとされる。振り袖を着た女獅子役「かぶ」と、木の棒を持ちはやし立てる「道化」が2人一組となり、笛や太鼓、歌に合わせて悪魔払いの舞をする。
 保存会は現在、与川在住や出身の27人でつくる。例祭の約1カ月前から与川分館に毎週集まり、練習を重ねる。新しく入ったのは丸野颯人さん(24)と下櫻尊斗さん(21)で、ともに太鼓を担当する。10月初めの練習では、指導を受けながら舞に合わせて一通りの流れを演奏した。丸野さんは「小さなころからなじみがある伝統。練習の成果を出し役目を果たしたい」と意気込む。
 神楽獅子は白山神社の春、秋の例祭で奉納される。3年に1度、元日に地区内の全戸を回る風習もあったが、会員の負担軽減のため数年前に中止。例祭に合わせて地区の集会所や新改築の住宅を回る形式に変えた。15日も実施する。古田義一会長(55)は「できる形で伝統をつなぎ、新しい世代へ引き継いでいきたい」と力を込める。
 15日は午前8時半から地域を回り、午後1時からの例祭で奉納をする。