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七つの鐘「もにす認定」 障害者雇用率8.56%を評価 厚労大臣

認定通知書と盾を手にする関施設長(左)と阿部仁事務長

 安曇野市三郷小倉の社会福祉法人・七つの鐘が、障害者の雇用実績に秀でている。松本公共職業安定所管内で、障害者雇用促進法が2・3%と定める民間の法定雇用率を満たす義務がある企業の半数近くが未達成な中、同法人の実雇用率は8・56%(令和4年度)と高水準。このほど、障害者雇用に積極的な中小事業主を厚生労働大臣が認定する「もにす認定」に中信地方で初めて選ばれた。

 特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、デイサービスセンター、グループホームなどの運営を手掛ける。職員数合わせて約150人のうち、期間の定めなく週20時間以上働く法定雇用率の算定対象となる障害者は10人。身体障害や知的障害、精神障害があり、重度の身体障害者1人も含む。正社員やパートとして事務職や介護職、介護職の介助員などに就く。
 多種多様な業務の中から一部を切り出したり、専門職に偏っていた専門性を要しない業務を移管させたりして、得意、不得意を持つ人材個々と業務とのマッチングを進めてきた。過去3年間に雇い入れた障害者3人の就職後1年時点の職場定着率は100%だ。取り組みや成果は、もにすの認定基準に基づき数値化され、評価された。
 介護業界全体が直面する慢性的な人手不足を喫緊の経営課題に、多様な人材を受け入れる「ダイバーシティーの推進」を3年前に事業計画に盛り込んだ。来期は外国人材の採用にも踏み切る。同法人の関了施設長は「障害に対し誤った見方をしないというのは福祉サービス事業者の強みかもしれない」と認識しながら「障害の有無にかかわらず、理念を共に長く働ける仲間を求めていきたい」と話す。
 令和2年度に始まった新制度で、認定事業者は県内4例目。「もにす」は「ともにすすむ」の意。自社商品・サービスに認定マークを表示でき、日本政策金融公庫の低利融資を受けられるなどのメリットがある。
 松本職安管内で法定雇用率を満たす義務がある民間(従業員43・5人以上、319社)の実雇用率は2・04%、法定雇用率の達成企業は52・4%となっている(昨年6月時点)。