御嶽登山 今シーズン終了 登山者増加 復興へ手応え 八丁ダルミ開放 好天幸い コロナ禍の制限緩和も

御嶽山(3067㍍)は11日、今季の登山規制緩和期間が終了した。今季は、平成26(2014)年の噴火災害以来9年ぶりに山頂近くの尾根筋「八丁ダルミ」が開放され、登山者が大幅に増加した。夏季は好天の日が多く、新型コロナウイルスの行動制限がなくなったことも後押しした。山麓の木曽地域にとっては復興の手応えを感じたシーズンとなった。
今季の規制緩和は木曽町の黒沢口登山道が7月1日、王滝側の王滝口登山道が同10日だった。八丁ダルミは同29日に開放された。
黒沢口の登山者らに利用されるおんたけロープウェイ(木曽町三岳)の利用者は約1万8800人(速報値、6月20日から)だった。指定管理者の木曽カントリーは「夏は昨年より(集客の)手応えがあった。八丁ダルミの開放もあるが、雨が少なく暑かったおかげだろう」と見る。
王滝口7合目の田の原から入山した人は1万2464人で、昨季の8・8倍に上った。今季は軽食・飲料を販売する観光センターの営業も3年ぶりに始まるなど田の原活性化事業もスタートした。
御嶽山のにぎわいは、山麓の商店にも恩恵を与えた。王滝村のそば店「そば処さくら」を営む吉田広史さん(62)は「噴火前のにぎわいに戻ったようで、予想外のうれしい悲鳴だった」と振り返った。
11日は黒沢口頂上の剣ケ峰と王滝頂上に続く各登山道に規制ロープが張られた。越原道廣村長は「静かになっていた村に少しにぎわいが戻りうれしい。来年以降も多くの人が来てくれたら」と期待していた。