新松本市立博物館の将来像 おおうちおさむさんが語る

7日に開館した新たな松本市立博物館は中心市街地に位置し、1階に交流スペースを設けるなど従来の博物館と異なる役割が期待されている。博物館の魅力を発信し、さまざまな仕掛けを工夫する博物館のアソシエイトプロデューサー・おおうちおさむさん(52)=東京都=に今後の展望を聞いた。
―開館初日の手応えは。
想像した通りの来館者の動きだった。エントランスホールの階段ベンチや子ども体験ひろば・アソビバ!で長時間過ごす家族連れもいて、展示を見るだけにとどまらない居心地のいい空間を創出することができた。
―市立博物館の可能性は。
人が入りやすい立地にあることが大きい。しかも行政の施設は誰もが安心して入りやすいという特性がある。市民、観光客ら誰にも開かれた施設となり、街のハブ(拠点)としての役割を持つことは間違いない。
―どんな仕掛けを考えているか。
小さなイベントを数多く考えていきたい。ギャラリースペースを設け、小規模で回転の速い展示を企画することで飽きない施設にする。市民に何回も足を運んでもらいたい。厳選した学術書や美術書などを置くブックショップもやってみたい。
―注目している収蔵品は。
伝統行事「コトヨウカ」で使用されている「ワラ馬」。かわいらしいし、松本地域の人に親しまれてきた点で注目している。市立博物館は全国的に有名な「スター収蔵品」というものがないが、魅力あるものが多い。どう魅力を発信するか、工夫していきたい。