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生坂村小立野 平七社の道祖神保護に力

赤羽さん(左)が私費を投じて保護した古い道祖神(左上4体)。手作りの道祖神とともに並べた

 生坂村小立野の平七社で、境内に半ば埋もれるように並べられていた古い道祖神4体が、新設した高さ約50センチの土台の上に安置された。小立野区長の赤羽清さん(71)が私財を投じて自力で工事を行い、趣味の彫刻の腕を生かした手作りの道祖神を境内内外に奉納して新旧一緒に並べた。

 秋季例大祭の本祭がある8日午後に御霊入れの神事を行い、地域の守り神としてあらためて祭る。
 古い道祖神4体は、いずれも高さ50~70センチで、うち1体に幕末期の万延2(1861)年と彫られている。旧小立野村の地名なども刻まれ、ある時期に境内にまとめられたようだ。砂岩質で表面にひびが入るなど風化が激しく、赤羽さんは若い頃から「いつか保護しなくては」と案じていたという。
 今春から行った工事で、境内に横幅約5・4メートル、奥行き約80センチのコンクリート土台を設置し古い道祖神を移転。手作りした木造道祖神2体と石造道祖神1体を新たに奉納した。かつて村の道祖神2体が帯代(結納金)を納められないままどこか他地区へ持ち去られ、いまだに再建できていないという故事にちなみ、神社裏手の道沿いにも手作りの石造道祖神2体を新設した。
 赤羽さんは「長年の思いがかなえられた」と喜び「昔から小立野を守り続けてくれた道祖神だ。地域の人たちとともに今後も大切にしていきたい」と願った。