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信大病院が高度治療室を増床

完成したHCUについて説明する集中治療部の三田篤義副部長

 信州大学医学部付属病院(松本市旭3)が進める東西病棟リニューアル工事で、東病棟2階のHCU(ハイケアユニット、高度治療室)が完成した。今週末からの患者受け入れを前に5日、報道関係者向けの内覧会が開かれた。これまでの10床から、新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえた感染症対応ができる陰圧室(2床)を含めた16床に増床され、満床状態が続く高度急性期病床の支援床としての機能が整った。

 HCUは、急性期は乗り切ったものの、引き続き集中治療が必要な患者や手術後の患者を受け入れる施設。看護師の配置基準はICU(集中治療室)の半分の「患者4人に1人」だが、信大の施設では各ベッドにモニターを設置するなどICUと変わらない高度な機能を取り入れた。8床が個室、8床がオープンタイプで、16床の中にはこれまでに4床あったCVCU(心血管集中治療室)の機能も含まれている。HCUとしての床面積は、これまでの3倍の1018平方メートルとなった。
 3年9月に始まった東病棟の工事はこれで完成し、今月から西病棟の工事が始まる。全ての工事の完成は7年3月を予定している。HCU完成を受け、花岡正幸院長は「高度先進医療を担う信大病院の役割をフルに発揮できる。地域のみならず県民の負託に応えたい」と話していた。