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マダラバッタ安曇野市内で発見 明科の矢花さん親子 独自に調査

マダラバッタの標本を指さす発見者の矢花さん

 安曇野市明科七貴の矢花順一さん(53)と沙織さん(13)=明科中学校1年=親子が、県内で発見された記録がない「マダラバッタ」を同市内で見つけた。2人は「自分たちが見たことがない虫を見たい」との思いで独自の生き物調査に取り組んでおり、日々の活動で養われた観察力が発見につながった。

 マダラバッタは海岸や沿岸部の造成地などに生息する南方系のバッタで、体色は緑や赤、褐色など個体によって異なる。後ろ脚下部のすねの部分が赤、青、黒のまだら模様であることが、名前の由来になっている。
 8月中旬に明科地域の犀川河川敷に出掛けた際、野鳥撮影をしている沙織さんの傍らでバッタ探しをしていた矢花さんが、羽の付け根に緑の線が入ったバッタを見つけた。「初めて見るバッタだ」と写真に撮り、図鑑で調べてマダラバッタだと判明したという。
 沙織さんが所属する三郷昆虫クラブにも報告し、近くにまとまった生息地があることも分かった。2人は2年前にも、県内では南部にしか生息しないチョウ・ホソバセセリを市内で見つけた功績があり、同クラブの世話人・那須野雅好さんは「先入観を持たず、『ここに何がいるか』という純粋な気持ちで見つけている」とたたえる。
 市の生き物調査にも参加し、今年はすでに1000種類ほどの生き物を見つけた矢花さん親子。矢花さんは「今年は見たことがない虫がたくさんいた。マダラバッタもその一つ」と笑顔を見せている。