御嶽登山 噴火リスク 捉え方は? 山梨大 王滝口で意識調査 結果を地元へ 安全対策に

山梨大学地域防災・マネジメント研究センター(甲府市)は今季、御嶽山の登山者の火山防災意識に関するアンケート調査を実施している。平成26(2014)年の噴火災害以降立ち入りできなかった山頂部の尾根筋「八丁ダルミ」が今夏に開放されたことを踏まえた。王滝村の王滝口登山道から八丁ダルミを通って最高点の剣ケ峰(3067㍍)まで登った人を対象に、登山者が噴火リスクと安全をどう捉えているのかを探る。
アンケートでは▽安全に登るために事前に確認した情報▽ヘルメットの携行▽現在の御嶽山の噴火警戒レベル―など11項目を尋ねている。八丁ダルミに昨年度に新設されたシェルター2基を見たかどうか、速やかに移動できるよう心掛けたかどうかも聞いている。
王滝口7合目の田の原にある県立御嶽山ビジターセンター「やまテラス王滝」周辺で先月中旬から実施しており、今季の閉山(11日)ころまで続ける。調査責任者で、災害情報や観光防災などを専門とする秦康範准教授は「どれだけ安全対策をしても、常に噴火とそれによる命の危険があることを登山者一人一人が認識していなければ効果は発揮されない。アンケートで現状を明らかにしたい」と話す。
速報値は早ければ年内にも出る見込み。分析結果は論文として講評されるほか、村や県にも提供される予定だ。ソフト面の安全対策の充実に向けて、登山者へ意識調査を独自に実施する方針を示していた王滝村の越原道廣村長は「山梨大と足並みがそろったのはありがたい。有意なデータが取れたら、来季以降、すぐにでも安全対策に生かしたい」と期待している。