南木曽で花馬祭り 伝統つなぐ

約300年の歴史がある南木曽町田立の伝統行事・花馬祭りが1日、五宮神社周辺で開かれた。豊作などに感謝を表す例祭で、4年ぶりに新型コロナウイルス禍前の通常規模で実施した。稲穂をかたどった「花」に飾られた馬3頭や住民約70人の行列が地域を練った。
祭りは県の無形民俗文化財に登録されている。JR田立駅前の広場を出発し、1時間ほどかけて約1キロ先の神社まで歩いた。4年ぶりに子供たちがおはやしの音色を響かせながら、にぎやかに進んだ。竹と5色の色紙でつくる「花」は1頭につき365本飾られており、厄よけの縁起物とされる。最後に境内で見物人らが恒例の花の取り合いをした。
コロナ禍で中止や縮小が続き、昨年は氏子総代ら20人ほどが馬1頭と一緒に参道約150メートルを歩いた。堀峰東総代長(72)は「住民一人一人の協力があり復活ができた。地域の活力になる。伝統をつないでいきたい」と力を込めた。