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松高・信大寮歌祭 4年ぶり青春の歌声響く

若さをみなぎらせて高らかに歌う松高や信大の卒業生

 旧制松本高等学校寮歌祭の流れをくむ「松高・信大寮歌祭」(実行委員会主催)が30日、松本市内で開かれ、旧制松高や後継の信州大学の卒業生ら72人が全国各地から集まった。コロナ禍を経て開催は4年ぶり。青春とともに心に刻まれた懐かしの寮歌や校歌を高らかに歌い〝寮歌祭の灯〟を再びともした。

 旧制松高校舎を活用した市あがたの森文化会館が補修工事のため、市勤労者福祉センターを会場に「春寂寥」「自由讃歌」「若き力に」など約30曲を歌った。松高同窓生は90代になる29回生と30回生の3人が参加。学生帽や法被を身に付け声を合わせると、青春を取り戻すかのように力がみなぎった。
 信大思誠寮で寝食を共にした同窓生、信大混声合唱団や交響楽団に在籍する在校生も参加し、世代を越えて交流した。松高30回の井口義久さん(92)=静岡市=は「松高寮歌が信大生へと引き継がれていることが本当にうれしい。(歌詞を)僕よりちゃんと覚えてくれている」と喜んだ。
 松高同窓会の活動停止に伴い平成27(2015)年に幕を下ろした松高寮歌祭の灯を継承しようと、翌年に信大同窓生が中心となって再出発した。コロナ禍は開催を見送ったが「中断期間は最小限に」と協議を重ね、再開にこぎつけた。 
 新緑の季節に開いたかつてのように、来年は5月18日にあがたの森文化会館で開く。信大理学部OBの森淳実行委員長(77)=名古屋市=は「再開を待ち望んでいた人が大勢いる。情熱がいつまでも受け継がれるように」と願っていた。