連載・特集

2023.10.15 みすず野

 この夏は猛暑で、秋口になっても雨が少なく、キノコの不作が伝えられてきた。秋風が吹いて、雨もそこそこ降ったが、キノコが生えるコンディションは整っただろうか。マツタケなど、最初から採れるとは思ってもいないが、雑キノコと呼ばれる種類ならなんとか手にしたい◆そう思って雨の合間に雑木林の入り口を歩いたら、ジコボウ、リコボウなどと呼ばれるハナイグチが20本ほど採れた。こんなに採れたのは初めてで、意外な場所で見つかるのだと驚いた。畑の地続きで、ササが生い茂っているが、木は生えていない◆以前、古い畳の始末に困り、庭の片隅に積んでおいたら、その年の秋にシメジが次々に出た。数日ですぐ大きくなり、採りきれないほどだった。これで毎年シメジが食べられると喜んだが、次の年以降は、1本も生えてこなかった◆山のキノコで見分けがつくのはハナイグチのほかはクリタケくらいだろうか。コムソウ、アミタケなども教わったが覚えられないままだ。マツタケが採れる山は地元にはないということになっている。でも誰が採ったらしいとか、彼がびくに隠していたとか、この時期うわさが飛び交う。