政治・経済

マイボトル給水広まる 松本市がアクアスポット設置2年 ペットボトル削減に効果

市役所東庁舎ロビーに設置されたアクアスポット。市職員も積極的に利用している

 松本市が、誰もが自由に水をくめる給水所「アクアスポット」を公共施設などへ設置を始めて2年が経過した。この間に5万8000リットルが使われ、市は500ミリリットルのペットボトル換算で11万6000本相当の削減効果があったとする。マイボトルを持参した市民や観光客が街中で水を得る行動を浸透させ、ペットボトル削減につなげる取り組みで、市環境・地域エネルギー課は「一定の成果があった」とみている。

 信州大学(松本市旭3)が研究に加わった、水道水に含まれる残留塩素や重金属イオンなどを取り除く浄水器「swee(スイー)」を市役所やMウイング、松本駅観光案内所など14カ所に置く。令和3年度から3年計画で設置が進み、11月1日に15カ所目となる沢渡バスターミナル(安曇)で事業は完了する。設置費は258万円。
 うち市役所東庁舎では来庁者の利用が定着し、午前中や昼にマイボトルに給水する姿が日常的に見られるようになった。市職員も率先して利用しており、毎朝給水している男性職員(34)は「空っぽのマイボトルを持参すると軽くていい。毎日のことなので相当な節約になっている」と話す。
 アクアスポットのほか、市内にはマイボトルの利用に適した井戸が17カ所ある。無料で給水できる商業施設も三つあり、全てを含めると中心市街地には35カ所のマイボトルへの給水所がある。
 臥雲義尚市長は30日の定例記者会見でアクアスポットの利用状況に触れ、「『マイボトルのまち』となるようにしていく」と述べた。給水できる場所を市民にさらに浸透させ、外国人を含めた観光客に利用を促していけるかどうか、今後の課題になりそうだ。