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松本産のバナナ初収穫 岡田の農業・小林政雄さん販売へ

1房約20本のずっしり重いバナナを収穫する小林さん

 松本市岡田下岡田の農業・小林政雄さん(67)が地元のビニールハウスで栽培しているバナナが、初めて収穫期を迎えた。寒冷地の松本でバナナ作りに挑戦しようと、昨年5月に約70本の苗木を植えた。年内の収穫を期待したが実らず、土壌の改良を重ね今年は順調に生育させた。12月までに1万本ほどの実が採れる見込みで、順次販売する。

 長さ約50メートル、幅約7メートルのハウスで、農薬と化学肥料を使わずに育てている。枯れた松のチップや腐葉土を土壌に加えて栄養分を補うなどの土壌作りも、冬場の温度管理も試行錯誤の連続だったという。
 バナナはもっちりとした食感で、皮ごと食べられるのが特徴。1本500円と高価だが、県内外の個人や企業から予約の注文が来ている。地域の農産物販売会や直売所、インターネットで販売していく。
 小林さんは娘たちと、「ファームヤマコ」の名称で米や大豆を生産している。「天候に左右されにくく、安定した収益を確保したい」と、将来はバナナを主力にする考えだ。「栽培計画がしやすいので、若い人が農業に興味を持つきっかけになればと思う。バナナ栽培の仲間を増やしていけたら」と意気込んでいる。