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自力で舞殿曳行 おはやし生演奏 山形村の小坂諏訪神社で例大祭

力を合わせて舞殿を曳行する青年会の会員や氏子たち

 山形村小坂の小坂諏訪神社例大祭が16日、2日間の日程で始まり、宵祭りの初日は集落内を舞殿が曳行された。19~29歳が所属する祭りの青年会を中心に盛り上げるのが伝統だ。新型コロナウイルス禍で中止や縮小開催が続いたが、人力での舞殿曳行とおはやしの生演奏、舞の奉納が4年ぶりに復活し、集落が久しぶりに活気づいた。

 舞殿は午後5時すぎに小坂・山口常会の民家前を出発。青年会や氏子らが綱隊、てこ隊、笛隊、横付隊の4隊を組み、急坂やカーブの難所も力を合わせて進んだ。舞殿に乗った「乗り子」の小学生5人は太鼓やチャンチャキ(チャンチキ)を鳴らし、笛隊と共に息の合った演奏を披露した。
 約3時間かけて神社まで曳き、境内に入る見せ場では太鼓の連打に合わせて勢いよく舞殿を動かした。境内では女子児童4人が浦安の舞を奉納した。
 例年、青年会が小学生を指導し、祭り文化の継承を目指している。今年も約1カ月間にわたって練習を重ねた。舞殿内でおはやしを指揮する横付隊長を担った山口千元さん(28)は「小坂のおはやしは聴き応えがある。経験が子供たちの一生の思い出になり、担い手の育成につながれば」と願った。青年会長の上條将也さん(28)は「久しぶりで不安もあったけれど、みんなで楽しむ祭り。今後につながるよう力の限り盛り上げたい」と話した。
 本祭りの17日は午前11時にJA松本ハイランド山形支所前を舞殿が出発し、神社到着は午後3時を予定する。昨年はトラクターで曳行し、おはやしは音源を流した。