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三者三様に育んだ絵心 松本市梓川地区の女性3人合同展

合同展を開いている青木さん、細田さん、原さん(左から)

 松本市梓川地区で暮らす女性3人が梓川アカデミア館で初めての合同絵画展を開いている。原照子さん(83)=梓川梓=は日本画、青木仲さん(88)=梓川倭、細田啓子さん(73)=同=は油絵を出品。それぞれ農作業や家事をしつつ絵筆を取り、長年制作に励んできた。果実、野菜、花、風景―。身近な題材に、三者それぞれのまなざしを向けている。18日まで。

 梓川地区の文化祭に出品する3人で「絵を長く描いてきた。やれる時に展示会を開こう」(原さん)と思い立った。計60点余が会場に並ぶ。
 日本画の静けさにひかれるという原さんは約40年描き続けてきた。ヒマワリ、タマネギ、カボチャといった身近にあるものを題材にして緻密に表す。「(作物を自分で)育てて描きたいと思った」と振り返る。
 長く農業に打ち込んできた青木さんは「描くことが楽しくて仕方がない」と笑う。55歳の時に絵を習い始め、「ありったけの自分を吐き出している」と気持ちを込める。風景や収穫物を伸び伸びと表した。
 細田さんは母親と過ごした月夜の思い出、地元の桜の風景を題材にしている。途絶えた時期もあるものの、約50年絵筆を握ってきた。大胆なタッチと色使いが目をひく。「今後は小品を楽しく描いていきたい」と話す。
 展示会名は「あずさの仲間絵画展」とした。三人それぞれの作品が引き立て合う。原さんは「互いの個性を認め合っての展示。実現できたことに感謝したい」と話している。
 午前9時~午後5時(最終日は3時)。