町会の仕事スリム化支援 松本市が方針 依頼業務見直し負担軽減
松本市は12日の市議会9月定例会一般質問で、役員の負担増が課題となっている町会への支援策として、市が各町会に依頼する業務を必要最低限に絞る方針を示した。臥雲義尚市長は、何を守り何を削るのかという視点で活動を見直し、自由に意見を出し合う環境を整えることが必要だとし「その第一歩として町会役員には女性の町会長を増やす後押しをしてほしい」と述べた。
行政側が町会に依頼する役職は衛生部長、防災部長、民生児童委員など約20ポストはあり、活動は多岐にわたる。少子高齢化や地域コミュニティーの希薄化で、町会運営はどこも厳しさを増している。市は本年度から、健康づくり推進員を地区の裁量で廃止できるようにした。
藤森誠・住民自治局長は、太田正徳氏(政友会)への答弁で「防災や環境衛生、法に基づく委員の推薦など必要不可欠なものに絞って町会活動のスリム化を進めたい」と述べ、さらに依頼業務を削減する方針を示した。どのポストや業務を削減するかは決まっていない。
市内全485町会の町会加入率は4月1日現在74・9%で、コロナ禍を含む5年間で3・8ポイント低下した。臥雲市長は、持続可能なまちづくりでは、新たな住民を受け入れる寛容さが問われると強調。多くの役を男性が占める組織では変化が生まれにくいとし「女性が町会長になることで、これまでとは違う発想で物事を捉え、若い世代や新しい住民の意見を取り入れる余地が広がる」と見直しの機運醸成を期待した。
一方、若い世代などには「変化が少しずつだが進んでいくので、地元で支え合わなければならないことに積極的に参加してほしい」と呼び掛けた。