スマホアプリゲームで感染症対策を学ぼう 信大の三代澤医師が開発

松本市旭3の信州大学医学部付属病院小児科の三代澤幸秀医師(48)が、感染症対策を題材にしたゲーム「はじめての感染対策」を開発し、スマートフォンアプリとして今月リリースした。病院内の実際の取り組みを通して、医療従事者や医療系学生が基本的な感染対策を学ぶ目的で作ったが、新型コロナウイルス感染症予防をはじめ一般の人の日常生活にも役立つ知識が盛り込まれている。
社会問題の解決を目的とする「シリアスゲーム」で、約1時間で基本的な内容を学べるようにまとめられている。プレーヤーは看護学生となり病院実習を通して、「咳エチケット」や「手指衛生」など10項目からなる「スタンダードプリコーション(標準予防策)」について学ぶ。章ごとに設定されている「確認クイズ」で復習しながら知識を身につけていく仕組みだ。途中で中断できる「セーブ機能」もついており自分のペースで進められる。昨年4月から三代澤医師と同大医学部生5人、大学外のアート系学生2人で制作を始め今月上旬に完成した。制作費は300万円で同病院感染制御室が監修している。
長く新生児医療に携わり医療的ケア児を支援する活動に取り組んできた三代澤医師は、これまでに「社会的ハイリスク妊婦支援」と「NICU(新生児集中治療室)」をテーマにした二つのシリアスゲームを開発してきた。これに注目した同病院の川眞田樹人前院長の依頼を受けて、今回のゲームを作った。
三代澤医師は7日に病院で開いた会見で「医療を志す人たちにも見てほしい。基本的に病院内の取り組みだが、嘔吐物の処理法など一般の人にも興味を持ってもらえる内容だと思う」と語った。
アプリストアで「はじめての感染対策」と検索するとダウンロードできる(無料)。三代澤医師が代表を務める医療的ケア児の支援団体「Mテラス」の公式ウェブサイト(https://msserious.com)でも入手できる。