松本の美須々交差点北 道幅狭く歩行者危険 拡幅求める声も

松本市美須々と桐3境の国道143号美須々交差点の北側で、約150メートルの区間の道幅が極端に狭く、歩行者や自転車が危険にさらされている。信号で実質的に片側交互通行のようにもなっており、朝の渋滞も深刻だ。
国道143号は松本市の都市計画で拡幅が進められてきたが、美須々交差点から北の岡田東区交差点までの約1・2キロが未整備となっている。中でもこの150メートル区間は道路幅が7メートルないためセンターラインが引かれていない。路肩は側溝のふたの幅ほどしかなく、雨の日の渋滞時には、児童が傘を車に引っかけられないように半分閉じて歩く姿も見られる。
県松本建設事務所は地元の要望を受け、8月下旬に車道と路肩の境界の白線を引き直し、道幅を狭く見せて速度を抑制する効果を狙ったドットラインを新たに施した。これにより以前よりは車が路肩に寄らなくなり多少改善したが、それでも安全とはほど遠い状況だ。
歩行者や自転車を避けて車が道路の中央に寄ると対向車とすれ違いが困難になるため、美須々交差点の信号機は国道側の南北が交互に青になり、片側交互通行のように車を流している。このため信号待ちの時間も長く、朝の通勤時間帯は大渋滞が発生している。
このほど地元町会や県松本建設事務所、松本市、中川博司県議、花村恵子松本市議ら関係者が行った現地調査では、危険性があらためて確認された。10年前に行った沿線住民の意向調査では拡幅への賛成が40%にとどまった。道路東側だけを拡幅する計画への不公平感が背景にあり、関係する中原町会の丸山善己町会長(74)は「歩行者の安全確保に向けてあらためて協力をお願いしていきたい」と話している。