三つの御舟改修 安曇野の穂高・等々力町区 今月の祭りでえい行

安曇野市の穂高町区は、今月中に営まれる穂高神社の御船祭や同神社の末社の祭りに向けて子供船を全面改修した。ケヤキの角材やヒノキの丸太など使用している木材を一新し、高さ4・3メートル、長さ8メートル、幅3メートルの子供船を生まれ変わらせた。等々力町区の子供船と、両区で所有する大人船もそれぞれ一部を改修し、今年のえい行で新たな姿を披露する。
穂高町区の子供船の改修がこのほど、穂高町区公民館で行われ、人形飾りなどを手掛ける一真会の会員約10人が新たな木材で組み上げた。約8メートルのヒノキの横棒は太さが20センチもあり、真新しい木肌が美しい。子供たちが乗るやぐら部分は、おはやしを演奏しやすいように古い子供船より広くした。車輪の幅などを広げたことで安定感が増している。
三つの御船の改修費には、文化庁の地域文化財総合活用推進事業の補助金を充てた。両区の二つの子供船は10日にある末社のお祭りでえい行する。26日と27日にある穂高神社の御船祭でも、子供船と大人船のえい行がある。子供船のえい行は昨年も行われたが、大人船のえい行は新型コロナウイルス禍により4年ぶりとなる。
穂高町区の降幡成敏区長(68)は「立派なものができあがった。伝統ある御船なのでこれから何十年も大切に使っていきたい」と話していた。古い子供船の骨組みは希望があれば譲るといい、お祭りなどで大切に使ってくれる先を探している。