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塩尻起点に歩いて日本一周目指す 沖縄出身の大城忍さん

塩尻市に一時的に戻り、大門商店街を歩く大城さん

 沖縄県南風原町出身の大城忍さん(46)は塩尻市を起点に、歩いて47都道府県を巡る「日本一周の旅」を続けている。4月13日に旅を始め4カ月半をかけて、東日本の20都道県を回った。今後は西日本を歩き、終着点とする那覇市・旧首里城守礼門への到着を目指している。大城さんは荷物入れ替えのため一時的に塩尻に戻っており、6日に再出発する。

 大城さんは派遣の仕事で塩尻に移り住み、大門幸町で15年間暮らした。令和3年末に仕事を辞めた後、友人の勧めで、四国の88カ所の霊場を巡る「お遍路」に出掛け達成。その後、再び各地を見て歩きたいと考え、日本一周を目指すことにした。
 重さ20キロ超のリュックを背負って1日に平均20キロを歩き、テント泊をしながら旅を続ける。各都道府県の道の駅に最低1カ所は立ち寄り、スタンプを押すことが旅のルールだ。各地の知人・友人を訪ね、地酒やご当地グルメを味わい、時にはアニメや映画のゆかりの地巡りを楽しんでいる。
 行く先々で声を掛けたり、支援をしてくれたりする人がいて、人の温かさに触れた。印象に残っているのは本州最北端の青森県の看板を見た時だ。「毎日20キロの歩みを重ねれば、ここまで来られるんだ」と達成感でいっぱいになった。旅で得た物は「まだぴんとこない」が、嫌な事があっても歩みをやめなければ、思いがけない幸運につながることがあり「嫌なことも幸運の布石なのかも」と思えるようになった。
 今後は北陸、近畿地方に向かう。その先のルートは決めていない。旅を終えた後は再び塩尻に戻る予定だ。大城さんは「ただ歩くだけではつまらない。達成感のある旅にしたい」と話している。
 旅の間はX(旧ツイッター)やTik Tokで「NoBu@歩いて日本一周男」の名で発信を続けている。