地域の話題

チームオレンジまつもと本格始動 認知症の人 地域で支える

受領証を受け取るサンサロンのメンバー(右)

 認知症や物忘れの出てきた高齢者などが安心して暮らせる地域づくりを進める「チームオレンジ」の活動が、松本市内で始まった。認知症サポーターがいるといった要件を満たす地区の「集いの場」などが「チームオレンジまつもと」を宣言し、市が"お墨付き"を与える取り組みで、梓川地区の住民主体のサロンが3日に第1号を宣言した。認知症を発症した人が気後れすることなく、集いに参加できるなどの効果が期待される。

 「チームオレンジ」は厚生労働省が令和元年度に提唱した取り組みで、認知症サポーターらと地域住民がチームを組み、認知症の人やその家族のニーズに合った支援を行う。市は本年度に「チームオレンジまつもと」と名付けた取り組みを開始した。市が認知症サポーターの養成やチームの立ち上げ支援を行い、地元住民が運営するサロンやカフェ、体操などの集いの場が「チームオレンジまつもと」を宣言する。
 今回宣言をしたのは、梓川地区の65歳以上が自主的に活動している「サンサロン」で、3日は市高齢福祉課の勝家知子課長がサロン会場の上立田会館を訪れ、メンバーに宣言の受領証を手渡した。サロン代表の百瀬ひろ子さん(73)は「今は元気にサロンに通うメンバーも認知症予備軍」といい、メンバーが認知症になっても、誘い合って気兼ねなくサロンに出席できる雰囲気づくりを目指すという。
 市内には約3万5000人の認知症サポーターがいる。市はそのサポーターの活躍の場にもなるとして、市内各地区の「集いの場」に働きかけていくことを検討している。