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伝統の奈川獅子が躍動の舞 松本の寄合渡で奉納

獅子と村人が戦うさまを表現した勇壮な舞

 松本市奈川寄合渡の獅子舞で、市重要無形民俗文化財に指定されている「奈川獅子」が2日夜、地元の天宮大明神境内で奉納された。奈川出身の子供や大人約30人が、村人と獅子との戦いを表現した躍動感あふれる舞を披露し、住民たちを楽しませた。

 田畑を荒らす大獅子に村人たちが天狗の助けを借りて立ち向かい、再三苦しみながらも最後になぎなたで討ち取る物語を、5部構成で演じた。おはやしに合わせて体を激しく揺らす獅子と、棒を持った村人役の舞い手が格闘するように舞い踊る様子に、集まった観衆は一幕ごとに拍手を送っていた。
 一般披露は新型コロナ禍を挟んで4年ぶり。数十年ぶりに観賞したという地元出身の勝山美和子さん(70)=波田=は「懐かしい。以前はもっとにぎやかだった」と話し、娘の佳奈さん(42)は「こういう獅子舞は見たことがない。斬新な感じがする」と話していた。