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産業用ロープ技術検定 南木曽の高校生2人 合格 牧野さんと田中さん

ロープアクセス技術の訓練をする田中さん(左)と牧野さん(田中孝輔さん提供)

 木曽青峰高校3年・牧野大河さん(18)=南木曽町=と松商学園高校3年・田中大輝さん(18)=同=が、日本産業用ロープアクセス協会(JIRAA)の検定に合格した。体をつるすロープを使って移動し、高所での作業や救助などに生かす「ロープアクセス」技術の習得を認定するもので、高校生の合格者は初めて。2人は将来の職業選択に経験を生かしたい考えだ。

 検定は産業用とレスキュー用の国際標準に従った2種類があり、2人は基本技術のマスターを認定する産業用の「Level1」に合格した。ロープを使った上下や横方向への移動など技術を身につける3日間のトレーニングと座学を受け実技と筆記の試験に臨んだ。
 田中さんの父・孝輔さん(47)が、ロープアクセス技術で特殊伐採を手掛ける源次商店(南木曽町読書)の社長で、2人に受検を勧めた。8月中旬に岐阜県中津川市にある同社の訓練施設でトレーニングした。
 訓練する高さは最大で6㍍ほどになる。田中さんは「最初は怖くていらない力が入り、くたくたになった」と振り返る。技術は予備のロープをつけるといった安全対策が徹底され、荷重分散など理論的な安全確保の方法も学ぶ。牧野さんは「取り組むうちに何が安全なのか理解でき、ロープに落ち着いて身を任せられるようになった」と話す。
 田中さんは消防士を、牧野さんは林業を将来の進路に考えている。田中さんは「今まで考えもしなかった知識や技術を知ることができ、大きな経験になった」とうなずく。牧野さんは「自信になるし、将来は今回得た安全への知識を生かせる仕事に就けたら」と力を込めた。