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奈川渡ダムの湖底が露出 梅雨明けから続く雨不足深刻

湖底が露出して梓川の流れが見えている奈川渡ダムの梓湖の上流部

 梅雨明けから続く雨不足で、松本市安曇・奈川の東京電力の奈川渡ダムでも梓湖の水位が大きく下がっている。上部では底が見えており、地元の乗鞍高原の住民も「湖が川になっている」と驚いている。

 国道158号から乗鞍高原に向かう県道乗鞍岳線で、梓湖上に架かる前川渡大橋の直下では、茶色い泥の湖底が露出し、梓川の本流が浅く広く流れている。満水時の水位がわかる両岸の植物が生えている境より、10㍍ほど低いように見える。
 奈川渡ダムは東京電力の水力発電所・安曇発電所の取水ダムで、下流に水殿ダム、稲核ダムが続き「梓川3ダム」と呼ばれる。管理する東京電力リニューアブルパワー松本事業所によると、上流域の8月の降水量は例年の半分程度で、現在の発電に使える利水容量は昨年の7割程度になっており、発電量にも影響が出ている。
 ダムは農業用水を安定的に供給する役割も担っている。梓川の利水を調整する中信平土地改良区連合は、冬の雪不足と雪解けの早さから水不足になると見越し、6月26日から5%の取水制限を続けている。この取水制限でダムからの放流量を減らすことができている。近年は水害を防ぐダムの役割も大きくなっており、事務局の担当者は「みんなが恩恵を受けている」と話している。