地域の話題

平安時代の住居跡から鉄製の馬具 塩尻の五日市場遺跡で出土

平安時代の住居跡から見つかった馬具の「轡」

 塩尻市教育委員会が7月から発掘調査を行っている五日市場遺跡(桟敷)で8月29日、平安時代の住居跡から鉄製の馬具の「轡」が見つかった。馬具は通常、古墳の副葬品としての出土例が多く、平安時代の住居跡から見つかるのは珍しい。

 竪穴住居の一つを調査していたところ、土に埋まった状態の馬具を見つけた。馬の口にかませて操るための道具で、長さは25センチ程度。手綱を取り付ける「引き手」や、輪っか状の「鏡板」などが確認できる。
 日本には古墳時代に、朝鮮半島から馬や馬具が伝わった。平出博物館の小松学館長は「少なくとも平安時代に五日市場で生活していた人たちと、馬との関わりがあったことが明らかになった」と話す。
 県立歴史館(千曲市)に相談しながら保存処理を行うという。