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日本遺産サミット 「木曽路」発信 連携さらに 8市町村長 馬籠に集結 観光客にPRも

馬籠宿を訪れた観光客へパンフレットなどを手渡しアピールする市町村長ら。構成文化財の一つである南木曽町の蘭桧笠(あららぎひのきがさ)をかぶった

 文化庁が認定した「日本遺産木曽路」の保存・活用を図る木曽地域文化遺産活性化協議会は19日、岐阜県中津川市の馬籠宿で、「第1回日本遺産木曽路サミット」を開いた。広域的な連携を確認し、「木曽路」のさらなる魅力発信をする目的だ。協議会を構成する木曽郡6町村と塩尻市、中津川市の市町村長らが意見を交わしたり、観光客に木曽路をPRしたりした。

 「木曽路」が平成28(2016)年に認定されてから、区域内の全市町村長がそろう取り組みは初めて。馬籠宿の馬籠集会所を会場に意見交換を行い、「わが町の誇り」と題して木曽路に関するそれぞれの取り組みなどを紹介し合った。課題として、中山道のより歩きやすい環境整備や地域経済の発展に結びつく仕組みづくり、宿泊施設の確保などが挙がった。観光庁の職員による講演もあった。
 サミット前には市町村長が馬籠宿の通りに立ち、パンフレットやヒノキの塗り箸などが入ったセットを観光客に手渡した。協議会長の向井裕明・南木曽町長は、新型コロナウイルスによる制限が緩和される中、「遺産を生かし一緒になって訪れる方をお迎えし、観光や地域の振興につなげていければ」とあいさつした。
 中津川市に中央道神坂スマートインターチェンジ(仮称)が開設予定で、リニア中央新幹線の開通も控えることから、馬籠宿が初回の会場となった。
 日本遺産は地域の有形、無形の文化財がつくるストーリーを認定して観光振興に生かす取り組み。「木曽路」は42の文化財で構成される。昨年に文化庁による認定継続の審査があり、「木曽路」全体としての連携した活用などが課題に指摘されている。