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10代2人が電験3種に合格 松本工高3年の荻窪さんと卒業生の滝野さん

難関の電験3種に合格した荻窪さん(右)と滝野さん

 松本工業高校電気科3年・荻窪彬人さん(18)と、同科を今春卒業した滝野風太さん(18)=中部電気保安協会=が、3月に受験した第3種電気主任技術者試験(電験3種)に合格した。社会人の受験が多い難関で、同校在校生の合格は平成20(2008)年度以来。試験には授業で扱わない内容も含まれ、自分で勉強を進めた努力の成果を実らせた。

 電験3種は中小規模の工場や商業施設などで電気設備の保全管理をするために必要な国家資格。試験は理論、機械、電力、法規の4科目あり、3年以内に全科目で60点以上取得すると合格となる。
 荻窪さんは1年生の冬、担任教諭に勧められて勉強を開始した。試験対策のテキストや講義動画を使って自分で学び、教員による補習にも参加。「今までで一番」と言えるほど勉強し、実力を蓄えた。昨年度から試験が年2回に増えた好機を捉え、「理論」は上期、他3科目は下期に合格した。
 何に対しても消極的だったという荻窪さんは「チャレンジする気持ちで、成し遂げられた」と手応えを話す。身に付いた勉強習慣で他の資格も取得し、目下、国立大工学部を目指して受験勉強に励む。「将来電気系の技術者になれれば、今回の資格も大いに役に立つ」と将来を思い描く。
 滝野さんは同科3年生だった昨年、保安協会への就職に向け「絶対に必要な資格で、持っていればできることが広がる」と奮起。上・下期で受験して合格した。「努力を継続する大切さを身をもって感じた」と振り返り、「合格を自信に、技術者として知識と技術を磨いていきたい」と意欲を新たにしている。