教育・子育て

池工生が松本の神社の備品製作 建築の学び生かして

大妻神社の木製階段と八足台を手掛ける池田工業高校の建築工学部の部員たち

 池田工業高校の建築科・建築学科の生徒たちが今夏、松本市梓川倭の大妻神社拝殿にある老朽化した木製階段と供物を乗せる「八足台」の新調に取り組んでいる。秋の例大祭が9月22日に迫る中、1~3年の部員3人は「逸品」に仕上げようと製作に励んでいる。

 建築工学部の部長で建築科3年・堀内健斗さん(17)=安曇野市=と、副部長の建築学科2年・大出喬也さん(17)=大町市、同1年・山下紋吾さん(15)=松本市=の3人が、大妻神社氏子総代会(佐久間孝明会長)の依頼を受けて製作に励んでいる。
 今年に入って階段の根元部分が長年の雨風で腐り危険と分かった。総代会に同校関係者がいた縁もあって「祭りが迫り人手も予算も限られる中『わらにもすがる思い』」で依頼し、同部が快諾した。階段は高さ約80センチ、幅約1・2メートル、八足台は高さ約30センチ、幅約55センチあり、主にくぎを使わない木組みの手法で作られており、同様に再現する計画だ。
 大出さんは「階段は斜めの部分の角度が難しい。精度の良い安全な階段に組み立てたい」と話す。昨年度に建築学科が新設され、建築科としては最後の学年となる堀内さんは「難しい仕事だが、将来、建築設計を目指す上できっと役に立つ。先輩方が築いた建築科の伝統を、後輩へ伝える機会になれば」と願っていた。