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銭湯の寺子屋に集う子供たち 松本・菊の湯でバイトの学生が発案

菊の湯の休憩室で児童に勉強を教える渡邉さん(右から2人目)

 松本市中央3の銭湯・菊の湯で、アルバイトの学生の発案で休憩室を活用した寺子屋が開かれている。学生や地域住民が勉強を教えたり、一緒に遊んだりして、子供たちの新たな居場所にしたいと取り組んでいる。

 松本大学教育学部4年生の渡邉光さん(22)が「地元の子供たちが銭湯に来るきっかけにしよう」と、店長の役割を担う湯屋チーフの鮎沢日菜子さん(29)と相談して始めた。昨年は小学校の長期休暇に開いたが、今年6月から毎月2回にして曜日や時間を試行錯誤している。
 このほど地元の源池小学校の児童2人が訪れて、2階の休憩室で持参した教材で英語などを勉強した。渡邉さんと銭湯の女性スタッフのほか、休憩室に囲碁セットを提供している日本棋院中信支部の丸山紀明さん(71)も初めて参加し、優しく質問に答えていた。
 鮎沢さんは「新型コロナウイルス禍で学生が子供と関わる機会も少なかったと思う。小さな輪が少しずつ広がりを見せて、お客さんにも『いい活動だね』と言われる」と喜ぶ。卒業後は小学校教諭になりたいという渡邉さんは「子供たちに来てもらえてうれしい。後輩でも地域の方でもいいので、引き継いでくれる人を探したい」と話している。

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