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SKO新コンマス3人 オケ公演を前に意気込み

新たにコンサートマスターを務める依田真宣さん、林七奈さん、島田真千子さん(写真右から)

 国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)の演奏を担うサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)で今夏、奏者の要となるコンサートマスター(コンマス)に新たに3人が名を連ねる。SKOは来年で結成40年を迎える歴史があり、当初のメンバーから徐々に世代交代が進む流れの中での抜てきとなった。公演を前に、意気込みやSKOへの思いを聞いた。

 新たにコンマスを務めるのは、いずれもバイオリン奏者の依田真宣さん(37)、林七奈さん(49)、島田真千子さん(47)。25日と27日のオーケストラコンサートAプログラムで、依田さんはバーンスタイン「ウェスト・サイド・ストーリー」より「シンフォニック・ダンス」、林さんはジョン・ウィリアムズのチューバ協奏曲、島田さんはプーランク「スターバト・マーテル」で役目を担う。
 依田さんは学生時代に総監督の小澤征爾さんらに学んで以来、SKOとの縁が続く。全身全霊で臨む小澤さんの存在を常に感じながら表現することがSKOの強みで魅力だとし、「これまでつくり上げてきた小澤さんの目指す音楽を、もっと多くの方に伝えたい」と願う。演目については「楽しい歌い回しや迫力あるサウンドなど、魅力が詰まった曲に仕上がるのでは」と手応えを話す。
 林さんにとって、10年以上参加するSKOは「先輩方の背中から学び、自分のことを考え、立ち返る場」。「まさか自分が前に行くとは思わず、身の引き締まる思い」と率直に語る。初めて演奏するチューバ協奏曲では、SKOのチューバ奏者・杉山康人さんが独奏する。「安心してひけるメンバー。(SKOの音楽の根底にある)室内楽のように、うまく融合してできれば」と意気込む。
 島田さんは今回の曲に、25年前に初めて聴いたSKOの演奏曲と作曲家が同じで指揮者のステファン・ドゥネーブさんが関わるなど縁を感じる。市民合唱団との共演も音楽祭初参加の年から経験しているため「一緒にやっている感覚」や引き継がれていることを喜ぶ。SKOは「どの席でも皆がコンマスで弦楽四重奏の一人。全員とコンタクトを取れるオーケストラ」といい、コンマスは「皆がこれから担っていく役目」だと気負わずに臨む。