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外国籍市民向けガイドブック完成 安曇野市が日本語教室に配布

外国籍の市民にやさしい日本語で生活の基本的な情報を伝える冊子

 安曇野市は、外国籍の市民に消防や救急、警察の呼び方、災害時の対応、市の相談窓口、ごみの出し方などを伝える冊子「生活のガイドブック」を新たに作った。冊子の後半は日本語学習の副教材になっていて、日本語を学びながら生活に必要な知識を得られる。すでに市教育委員会が市内4カ所で開催する日本語教室に配布しており、そこからの意見を基にして改訂版を9月下旬をめどに発行する。

 冊子はA4サイズの44ページで、全ての漢字に読み仮名を振り、読みやすいように細かくスペースで区切る「分かち書き」を採用した。25~41ページが副教材で、デマンド交通「あづみん」(乗り合いタクシー)の電話予約や飲食店での注文などの例文が載っている。外国籍の市民だけでなく、日本語を教える人が生徒から生活の困りごとを相談された際に活用してもらう考えだ。
 冊子には項目ごとに関連する市のホームページ(HP)などを表示できるQRコードが付いている。市はHPを「やさしい日本語」の文章に切り替える機能の導入を進めており、初版で表示されるのは通常の日本語のページだが、改訂版では「やさしい日本語」のページに改める計画だ。
 市は7月に市役所本庁舎に外国籍市民相談窓口を開設するなど、「だれもが かがやける 共生社会」の実現を目指している。外国籍の市民は約1400人で、増加傾向にある。市人権共生課は「いろいろな手段でコミュニケーションを取りやすくすることを考えていきたい」としている。