教育・子育て

県松本盲学校の清水冴恭さん 弁論全国大会に出場へ

関東甲信越大会で優勝した清水さん(右)と指導した下島教諭

 県松本盲学校高等部普通科3年・清水冴恭さん(17)は、このほど開かれた関東甲信越地区盲学校弁論大会で優勝し、全国大会への出場を決めた。中等部の頃に経験した祖母との死別を転機に成長してきた歩みを堂々と語り、高評価を得た。同校では22年ぶりの快挙となる大舞台に向け、内容や話術に磨きをかけている。

 清水さんは生まれたときに緑内障と診断され、弱視がある。弁論は「おばあちゃんに感謝」と題し、幼い頃から過保護に感じるほど世話をしてくれ、3年前に突然他界した祖母への感謝や後悔などを素直に表した。
 障害に関係なくさまざまなことができる姿を見せたかったものの、祖母に心配されてできずにうらめしくも思っていた複雑な心境を明かし、今はできることを積極的に意思表示するようになったと紹介。障害者の視点で暮らしやすい社会づくりに貢献したいと松本大学への進学を希望しており、自立して生活する姿を家族に見せることが夢だとした。
 5月の校内選考で代表となり、国語の下島優作教諭(32)の指導で伝わりやすい言葉を選び、めりはりを付けた話し方を試行錯誤してきた。12人が出場した関東甲信越大会ではレベルの高さに圧倒されつつも、共感する内容が多かったという。祖母は「客席で見てくれていたかな」と感じた。
 清水さんは「本当に頑張ってきたので、報われてうれしい」と喜び、10月に秋田市で開かれる全国大会に向け「見合う発表ができるよう準備したい。自分の思いがより多くの人に伝わればうれしい」と意気込んでいる。