地域の話題

体験講座で暮らしに学び 塩尻市 「土‐とおいち」 藍染め・金継ぎスタート

アイの生葉を使い、布類を染める参加者たち

 塩尻市の奈良井宿で木曽路の工芸品を紹介する店「土‐とおいち」を運営している一般社団法人・生活民芸舎(塩尻市木曽平沢)は本年度、体験型講座を始めた。「暮らしをつくるを楽しむ デイリーツーリズム」と題し、藍染めや金継ぎ、しょうゆ造りなどに取り組んでおり、日々の暮らしの中に喜びを見つけ出すことが狙いという。

 このうち藍染めは洗馬下小曽部を拠点に行っている。アイを種から育て、染料を仕込み、染め上げる年間プログラムで、下小曽部の農業・西尾真由美さん(47)と共催している。7月末には中信地区や愛知県から参加があり、アイの葉を収穫し、生葉で染める体験をした。
 アイの生葉をミキサーにかけて染め液を作り、各自が持参した布類を漬けた。沖縄の海のようなエメラルドグリーンに染まり、繰り返すことで次第に深みが増していった。上松町の二宮美香さん(45)は「すてきな色」と喜び「将来は自分でアイを畑で育てて染めてみたい」と意欲を見せた。
 体験講座には、庭との付き合い方を学ぶプログラムもある。工芸家や農業者らと連携しながら市民がものづくりの魅力や信州の自然に触れる機会を提供している。生活民芸舎の代表・佐藤あゆさん(30)=木曽平沢=は「グループを作り、年間を通じて作業を楽しんでいるほか、月1回の単発で参加できるイベントも用意している」と話している。
 問い合わせは「土‐とおいち」のインスタグラム(tooichi.narai)へ。