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須原宿の水舟 新調完了 大桑 住民が力合わせて5基

新調した水舟を前に事業の完了を喜ぶ運営委のメンバーや協力した地域住民

 「水舟の里」として知られる大桑村の旧中山道・須原宿で、令和3年に始まった水舟の新調事業が完了した。くりぬいた丸太に水をためる水舟は、経年劣化で十数年ほどの間隔で改修が必要になる。事業を通して計5基を新しくし、住民は完成を喜ぶと共に地域の風景を守り継ぐ決意を新たにしている。

 地元住民でつくる須原宿景観形成運営委員会が、村公民館須原分館と連携して進めてきた。今年はサワラの天然木から長さ約3㍍と1㍍の2基を制作。5月末から7月にかけて作業し、延べ90人が週末に集まり協力した。
 令和3年に3基を新調しており、住民から約40万円の寄付を受けて残りの分を作るめどが立った。このほど設置された新たな2基は、早速清水が注がれて住民が野菜を冷やすなど利用し、酷暑が続く中で宿場に涼しげな風景をもたらしている。
 前回は平成18(2006)年に大小4基の水舟を新調した。運営委の勝野誠吾委員長(79)は若者を含む多くの協力を喜び「新調事業には区切りがつくが、風景維持の取り組みは続く。水舟を次世代へつないでいきたい」と力を込めた。

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