お盆休みの観光地入り込み 前・後半で明暗

中信地方の観光地は、お盆休み(11~16日)期間の前半はどこも新型コロナウイルス禍前(令和元年)を超えるにぎわいが見られた。ただ、後半は台風7号の予想進路が当初県内を直撃するルートだった影響で宿泊施設は予約のキャンセルが相次ぎ、明暗が分かれた。
松本市によると、山岳景勝地の上高地(安曇)の入り込みは、令和元年同期(約5万3000人)の90~95%程度となる見込みだ。上高地観光旅館組合の青柳浩一郎組合長は「13日以降に半数以上のキャンセルがあった。観光客が戻ってきていた中で、このつまずきは痛い」と肩を落とした。
キャンプ場も同様に台風の影響を受けた。同市三才山の美鈴湖もりの国オートキャンプ場は全60サイトが予約で埋まっていたが、14日以降のキャンセルが相次いだ。ただ、台風が西にそれて後から予約が入り、「7~8割の利用になった」。朝日村の野俣沢林間キャンプ場も予約は昨年を上回っていたが、全65サイトのうち14日は8割、15日と16日は5割の利用にとどまった。
松本市の国宝松本城の入場者数は2万7600人で、令和元年同期(2万9200人)に迫る数字となった。特に外国人は2100人で令和元年同期より約1割多くなった。
塩尻市の奈良井宿は国内外の観光客でにぎわい、欧米からの旅行者が浴衣姿で散策を楽しむ姿も見られた。奈良井区の斉藤武仁観光文化委員長は「コロナ前のお盆と変わらない雰囲気だった」と振り返った。同市の小坂田公園はゴーカートなどの有料施設の利用者が大幅に増え、リニューアル効果が現れた。
安曇野市の国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区の来園者数は1万1401人で、ピークは12日の2813人だった。
南木曽町の妻籠宿と馬籠宿(岐阜県中津川市)を結ぶ馬籠峠では、途中にある一石栃立場茶屋の前を通った人は1188人で、前年同期の5倍以上となった。住民団体・妻籠を愛する会は「コロナ禍前とほぼ同じ人数。ハイカーは近くに宿泊していることなどから台風の影響が大きく出なかったのでは」と話した。