平和の尊さ中学生発信 塩尻で祈念のつどい

終戦記念日を前に、塩尻市は12日、「平和祈念のつどい」を市保健福祉センターで4年ぶりに開いた。市の広島平和教育研修に参加した中学生の報告や平和学習の公民館事業についての講演があり、約150人が平和への思いを新たにした。
中学生は、広島市の平和記念資料館の見学や青少年平和の集い、平和記念式典の参列の感想を発表した。塩尻西部中学校3年のダンバー英美さんは、被爆地を訪れて黙とうに対する心の変化に気付き、「今私ができるのは、この悲劇を周りの人や後世に伝えること」と語った。楢川小中学校9年の三輪空宇里さんは、恒久平和実現のため核兵器について「一番大切なのは使わせないこと」とし「なくせないが落とさせないよう訴えることはできる」とした。
講演では、平和学習事業に力を注いだ前広丘公民館長の三沢深さん(74)=広丘野村=が語った。満蒙開拓青少年義勇軍の妻を養成する開拓訓練施設「桔梗ケ原女子拓務訓練所」が昭和15(1940)年に全国に先駆け市内に開設されたと紹介。上水内郡信濃町の称名寺の鐘楼にある鳴らない"石の鐘"など戦争を知る施設や資料を挙げ、「原爆だけでなくいろんな方向に目を向けて」と呼び掛けた。