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林鉄 懐かしの理髪車復活 赤沢休養林 1日限定 森の床屋さん

一日限定で復活した理髪車で観光客らの散髪や顔そりをする渡邉さん

 森林浴発祥の地として知られる上松町小川の赤沢自然休養林で10日、園内で保存されている木曽森林鉄道の移動式理髪車が1日限定で復活した。「森のとこやさん」と題した町観光協会の企画で、新型コロナウイルス禍の影響で久々の開催となった。めったにない機会に観光客や地元住民が、赤沢の心地よい空気を感じながら散髪をした。

 理髪車は、昭和30(1955)年から20年間、森林鉄道の保線作業者や林業従事者らが利用していた。車内には当時の洗髪台や散髪用椅子、鏡台などがそのまま備えられていて、コンパクトでレトロな理髪店といった内装になっている。
 「森林セラピーをしながら身も心もすっきりできる」と魅力を語る東京都清瀬市の理容師・渡邉和博さん(52)が腕を振るった。午前10時の開店から一番乗りで散髪と顔そりをしてもらった会社員・町田靖さん(50)=東京都日野市=は「鉄道が大好き。ここで髪を切ってもらえるなんて願ったりかなったりでうれし過ぎる」と喜び、「普通の店じゃ体験できない(振り子式の)車両の揺れが心地よかった」と満足げだった。

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