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筑北出身の村田充生さん 服飾デザインコンペ・装苑賞で最終審査入り

最終審査(公開審査会)の16人に選ばれた村田さん

 筑北村西条出身で、服飾デザインを学ぶ文化学園大学(東京都)服装学部4年・村田充生さん(21)=東京都調布市=がこのほど東京都で開かれた日本を代表する服飾デザインコンペ「第97回装苑賞」で最終審査の16人に選ばれた。村田さんは「たたかうひゃくしょう」をコンセプトに出展。入賞こそ逃したものの、経験を糧に世界へ大きく羽ばたこうと意欲を燃やしている。

 装苑賞は学校法人文化学園文化出版局(東京都)の女性向けファッション雑誌「装苑」にちなむ歴史あるコンペで新人デザイナーの登竜門だ。1、2次審査を通過した村田さんはコンセプトを体現する3体のデザインに仕上げ6月27日の公開審査会(QRコード)に臨み、13番目に発表しランウェイを彩った。
 同コンセプトには兼業農家の実家で農作業を手伝った筑北の生活が根底にある。農業用のつなぎや防護服、農薬散布機をミリタリー調にアレンジしたデザインは「農業は牧歌的なだけでない。雑草や鳥獣害、病害虫との『たたかい』だ」という実感がこもる。5年前に89歳で亡くなった祖父・袈裟彦さんの大切なものを守るために立ち向かう生き方に"最後の百姓"を感じモデルとした。
 松本県ケ丘高校時代に熱中したダンス部で世界観を演出するファッションに興味を抱いた村田さんは装苑賞に「初挑戦で大きなチャンスをもらえた」と感謝。「たたかうひゃくしょう」は生涯のテーマに据えるとし「留学して見識を広げ、将来は筑北で思いを何らかの形にしたい」と語る。