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機織り機囲み結ぶ縁 松本・村井宿で講座「よりあいて」発足

機織り機を囲んで交流する「よりあいて」の参加者たち

 松本市村井町の村井宿で、大正時代の機織り機を活用して人づくり・地域づくりをするふるさと講座「よりあいて」が発足した。子供も大人も寄り合い、手を掛け合い、機織り文化を継承しながら交流しようと、住民有志が企画運営する。8月初めは小中学生向けの夏休み講座もあり、機織り機の周りに人の輪ができている。

 会場は村井宿中ほどの西村義彦さん宅の土蔵前だ。有志が昨年夏に修復した約100年前の高機2台のほか、中型の織り機も用意し、道具の準備や材料決め、作品設計、糸かけから織りまで一連の工程を実践する。
 2日は子供向けの夏休み講座も始まり、幅広い世代が集まった。おしゃべりしながら機織りをしていると「楽しそうな声がするから寄ってみたよ」。1人、また1人と近隣住民が顔を出し、あっという間に10人ほどの輪ができた。参加した芳川小学校6年の石井咲希さん(12)は「足をカタコト動かしながら織るのが楽しい。布ができてくるとうれしくてくせになりそう」と話していた。
 使い手がなくなって眠っていた地域の機織り機を譲り受け、修復し、大勢で活用しようと地元の女性有志が6月に立ち上げた。呼び掛け人の宮島通江さん(82)=村井町南=は「寄り合うことで知恵が出てくる。長年継承されてきた伝統や技にも触れてほしい」、征矢野俊子さん=村井町西=は「互いの工夫を学び合い、楽しく続けていきたい」と話している。