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まいさぽ安曇野 移転・開所 コロナ特例貸付 返済困難な世帯支援

新たな相談拠点の充実を願い関係者がテープカットした開所式

 安曇野市内で生活困窮者の自立を支える機関、生活就労支援センター(愛称・まいさぽ安曇野)が2日、豊科の市社会福祉協議会本所内から近くへ移転、開所した。新型コロナウイルス禍で収入が減った世帯へ生活資金を貸し付ける国の「生活福祉資金の特例貸付」の償還が今年から順次始まる中、運営を担ってきた市社協が、返済困難な世帯への支援強化へ体制を充実させる。

 平成27(2015)年施行の生活困窮者自立支援法に基づき、安曇野市より「生活困窮者自立相談支援事業」を受託した市社協が、同年4月に本所内にまいさぽ安曇野を設置し、生活や就労に関する相談や自立支援計画の作成などに対応してきた。
 一方、新型コロナ禍でまいさぽ安曇野を申請手続きの窓口としてきた生活福祉資金の特例貸付は、原則1回最大20万円を借りられる「緊急小口資金」と、最大月20万円を9カ月分まで借りられる「総合支援資金」を合わせ、2031件、7億9648万円に上った。緊急時の公的貸し付けの回収に時間を要するケースは少なくなく、返済への対応業務が窮迫や長期化する可能性も踏まえ、事業運営に手狭な本所から、店舗兼住居だった木造2階延べ259平方メートルの賃借物件に機能移転した。配置職員を3人から5人に増員もする。
 平成31年に市より新たに受託した「子どもの学習・生活支援事業」などの推進拠点にも据える。同日の開所式で、市社協の小松正直会長は「金銭的な課題から教育や医療などさまざまなサービスから取り残される家庭がある貧困問題はコロナ禍で一層深刻になっている」との認識を示した。