教育・子育て

ホタルの環境を親子で整え 山形小3年生が村内に水路

1学期から掘り進めた小川の周りで草取りをする児童と保護者

 山形村の山形小学校3年生が、ホタルが生息しやすい環境を増やそうと、村内を流れる三間沢川の脇に小川を造っている。ふれあい児童館そばの川沿いにある親水公園の一角に1学期、児童たちが長さ約30メートル、幅約50センチ、深さ約15センチの水路を掘った。1日は学校の夏休みに合わせて、有志の保護者と児童が小川を完成させた。2学期に児童たちが通水式を開く。

 三間沢川の北西側に掘った小川は、三間沢川から水を取り、再び同川につながる。自然保護集団アクアの会の上條一則会長(76)の助言で、ホタルの成虫が住みやすい緩やかな流れになるよう工夫した。
 1日は約20人で、取水口を掘ってパイプを埋め、出口部分を川につないだ。試しに通水すると、無事に水が流れた。中川佳菜さん(8)は「木の根っこがあって掘るのは大変だったから水が流れて感動した。ホタルがたくさん飛んでほしい」と期待を膨らませた。母親の望実さんは「子供たちの力に心動かされた。この小川でホタルが見られるかと思うと夢が広がる」と話した。
 児童たちは「ふるさと学習」の一環で2年生のころから、ホタルを増やすプロジェクトに取り組む。村内の公園やビオトープを訪ねて自然の生き物や環境に関心を高め、ホタルがすみやすい小川を自分たちで造ることにした。村教育委員会が協力し、川の管理者や漁業協同組合、水利組合に許可を取った。
 上條会長は「地域づくりにつながる活動だと思う。いい環境があれば自然と生き物は集まってくる」と話している。