2023.8.5 みすず野
酷暑というような日々が続いても、朝方はいつもの夏のように涼しい日が多い。窓を開けると、ほっとするような風が入ってくる。道路側の窓からは、人の声が聞こえる。楽しそうに話しながらやってきた中学生らしい2人の女の子が、玄関前で横になっている隣家の猫を見つけ「あ、おはよう、猫」と話しかけ、そのまま歩いて行った◆おはよう、猫、と何回も繰り返してみた。その軽やかさ、快活さ、爽やかさ。夏休み中の子どもたちは、どこへ行く途中だろう。夏の朝は子どもの頃から特別な時間。大人になってもその思い出が残っているのか、なんとなくうれしい。その思いをさらに上書きしてくれた◆近所の子どもたちを見ても、誰がどこの家の子かもうわからない。自分の子どもと年齢が近い一定の年代しか覚えていない。子どもたちにしても同じだろうが、朝のごみ出しですれ違うと、誰もが必ず向こうからあいさつしてくれる◆近隣の駅からは均等に遠く、ピザの配達エリアからは除外されている。近頃あまりいわないが、草深い地域とでもいえばいいだろうか。それでも、こんな朝を迎えられると、ちょっぴり自慢したくなる。