地域の話題

明治期の松本・渚学校の資料発見 地域の教育史明らかに

発見された資料を紹介する遠藤学芸員

 明治時代に現在の松本市渚2にあった「渚学校」の事務記録や生徒名簿などの資料がこのほど、近くに住む松林孝和さん(65)宅の蔵から見つかった。研究者は「地域の教育史を明らかにする貴重な資料」と評価している。

 教育史の研究をしている国宝旧開智学校校舎の遠藤正教学芸員(39)と信州大学学術研究院の速見香織教授(48)の調査で発見された。松林さんの5代前の先祖で明治時代に渚学校の世話役を務めた松林清太郎の事務記録簿など11点が見つかり、その中に通学者名簿や職員の給与記録、備品簿などの記載があった。
 渚学校は松本市中心部にあった深志学校の支校として明治6(1873)年に開校した。資料からは設立間もない頃の厳しい運営状況やその中でも地域の人が設立に尽力した様子がわかる。
 遠藤さんは「地域で学校設立に取り組んだことがわかる貴重な資料」といい、今後さらに詳しい調査を進める予定だ。