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89歳の塩入正勝さん ブロックの大作次々と完成

ブロックで大作を次々と作る塩入さん。折り紙の傘も丁寧に飾っている

 安曇野市明科中川手の塩入正勝さん(89)が、おもちゃのブロックで大作を次々と完成させている。専用のキットで五重塔と富士山、ツリーハウス、ロシアの聖堂などを作り、「うんと面白い。頭を使うけれど"ボケ防止"にちょうどいい」と笑顔を見せる。

 ブロックは付属の図面を見ながら、1段ずつ組み上げる。五重塔と富士山がセットになった作品は3ミリ~5センチほどの小さなブロックを約6500個使っており、「一つでも間違えるとだめ。根気が必要」(塩入さん)。ツリーハウスは高さが合わずに崩してやり直したこともあり、「何でもでたらめにやっちゃいけないな」と笑う。
 4年ほど前、山梨県に住む長女がブロックのキットを贈ってくれたことをきっかけに作り始めた。当初は手のひらサイズの動物や乗り物だったが、すぐに完成させる塩入さんに、長女は「これだけできるならもっと難しいのを作った方がいい」と難易度をどんどんアップ。現在は数千個のブロックを使うキットを持ってくるようになった。
 完成品を飾るケースは、孫の倉田孟さん(22)=松本市梓川梓=が用意する。塩入さんの器用さを誇りに思い、「ああなりたいと憧れるけれど、高すぎる壁」とたたえる。
 妹に勧められて始めた折り紙の傘作りも7年ほど続けている塩入さん。安曇野交通安全協会の会計監査も務める。家族の支えに感謝しつつ、「もたもたしてられない。できる限り頑張っていきたい」と力を込めている。