命救え!蘇生術 子供学ぶ 県立木曽病院が講習会 小学生向け初企画

木曽町福島の県立木曽病院が15日、小学生を対象にした一次救命処置(BLS、ベーシックライフサポート)の講習会を同病院で開いた。「命と脳を救え!めざそうBLSマスター」と銘打った初企画。子供たちは心肺蘇生法を教わり、積極的に救命処置を行う大切さと、救命のために自分たちができることを学んだ。
小学生と保護者ら20人余りが参加し、BLSとは、医師や看護師でなくても誰でもできる救命処置であることを教わった。意識や呼吸が確認できない人に対し、胸部を圧迫することで止まった心臓を動かす心臓マッサージでの心肺蘇生法や、心臓に電気ショックを与えるAED(自動体外式除細動器)の取り扱いを学んだ。
心臓マッサージのポイントは「はやく・ふかく・絶え間なく」だった。童謡「どんぐりころころ」の曲を思い浮かべるとテンポ良く圧迫できたが、体重をかけて胸を強く押し続けるのは大変だった。
AEDの講習で講師は「倒れた人が呼吸しているかどうか分からなかったら使う。マッサージを続けることも大切」と、AEDの積極的な使用の重要性を繰り返し強調していた。
広大な木曽郡内では、救急車の到着までに平均15分かかることから「小学生のうちから処置を身につけてもらい、1人でも多くの命を救える地域にしたい」と開催した。同病院の内科医師・北川奈美さんは「救急車が到着するまでの10分間を経過すると脳が痛んでしまい、元に戻らなくなる。みなさんにも助けられる命がある」と、蘇生処置を施す大切さを呼び掛けていた。