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心躍る映画作りの原点 山崎貴監督の特別展きょう開幕

山崎監督作品の世界を多角的に紹介する展示会場

 「ALWAYS三丁目の夕日」「永遠の0」など数々のヒット映画を手掛ける松本市出身の山崎貴監督(59)の特別展「映画監督 山崎貴の世界」の開幕を15日に控え、会場の松本市美術館で14日、オープニング式典が開かれた。デビュー作「ジュブナイル」から今秋公開の最新作「ゴジラ-1.0」まで、製作の舞台裏を一挙に公開する初の大規模展覧会になる。来場した山崎監督は「感慨深い。映画作りの苦労や面白さが大勢に伝わればうれしい」と期待を込めた。 



 テープカットを行い、報道陣や関係企業など110人に会場が公開された。「ゴジラ」の立像や「三丁目の夕日」に登場する昭和の街並みのミニチュア、撮影に使われた戦艦の模型、絵コンテ、衣装や実物大のセットなど約300点を展示。監督、脚本、VFX(視覚効果)と幅広く映像に携わる山崎監督の仕事を「迷路のような異空間」(小川稔館長)で堪能できる内容に、出席者から「すごいの一言」「松本から発信できることがうれしい」などの声が聞かれた。
 終了後に会見した山崎監督は「松本に生まれ東京に移り住んだ、このギャップがすごい財産。作品も大きな影響を受けている」と語った。展覧会の話が持ち上がった当初は「こっぱずかしかった」が、故郷での開催を喜び「多くの協力があって実現したことに感動している。親孝行もできた」。高度なCG技術が注目されがちだが、デザイン画や模型作りなど人の手を介した地道な仕事が映画を支えているとし「製作途中を見てもらう機会はなかなかない。日本トップクラスの物作りにも注目して」と話していた。
 10月29日まで。開幕日の15日午前10時には中心市街地の千歳橋で、関連企画「まちなか出張展」のオープニングセレモニーもある。