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麻績でカラムシ収穫 麻布作り復興願い

今年も麻に似たカラムシを収穫する菅野さん

 麻績村小東で14日、麻に似た丈夫な繊維が採れるイラクサ科の植物「カラムシ(苧麻)」の収穫作業が始まった。古くは麻の一種として村内で栽培や布作りが行われたとされる繊維で、伝統的なカラムシの麻布作りの復興に取り組む菅野由紀さん(50)=筑北村乱橋=が、4シーズン目となる収穫作業に励んでいる。

 田んぼのあぜ約90平方㍍を使って栽培している。菅野さんは地元農家の協力で手入れし、毎年6~7月と9~10月に収穫している。今年は春先の低温の影響で生育はやや遅れ気味という。初日は繊維作りに使う1束分を手刈りし、長さ約1・2㍍に切りそろえていた。
 福島県で伝統的なカラムシの布作りを身につけた菅野さんは、8月19日に村地域交流センターで開かれる麻績・筑北共同物産見本市「麻績メッセ」(麻績村商工会主催)で、繊維作りの実演を披露する予定だ。「まずは麻績のカラムシを地元の人たちに知ってほしい。将来、地域の産業として復活すればうれしい」と願っていた。