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夏の旅行が回復傾向 国内は関東・海外は韓国が一番人気

北海道の観光スポットを紹介するパネル(県営松本空港ターミナルビル)

 海の日(17日)を含む3連休をこの週末に控え、夏の観光シーズンが本番を迎える中、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ、中信地方から旅行に出掛ける人の動きが本格的に回復してきた。家計には物価上昇という逆風もあるが、コロナ禍でここ2、3年、遠出を我慢した反動が大きいようだ。

 ツアー、グループ旅行の手配を得意とするアルピコ長野トラベルではこの夏に催行する、秋田竿燈まつりや青森ねぶた祭など東北地方を巡るツアー、県営松本空港を発着する定期便やチャーター便を使った北海道への旅が人気で、開始早々に満席となったものもある。
 海外旅行は、まだコロナ禍前の水準には遠いものの、新型コロナの位置づけが5類に引き下げられた5月以降、韓国やタイ、シンガポールといったアジア圏に行く旅行の手配が徐々に増えてきた。
 夏の旅行の動向について、同社松本営業所の矢島一志さんは「行き先が近い旅行も遠い旅行も動きが戻っている。この繁忙期感は久しぶり」と話す。
 県営松本空港の定期便を運航するフジドリームエアラインズ(FDA)によると、例年この時期に利用が堅調な札幌・新千歳線だけでなく札幌・丘珠線も、夏休み期間前の現在でも満席かそれに近い日が多い。これまでも一定の利用があった個人客の増加に加えて、団体の利用が急回復したのが要因だ。FDA松本空港支店の川元真也支店長は「コロナ禍で貯蓄に回っていた旅行への支出が一気に戻った。この動きは秋まで続きそう」と話す。
 旅行会社大手のJTB(東京都)のまとめによると、夏休み期間(15日~8月末)の旅行動向は、国内旅行者数はコロナ前の令和元年と同程度の7370万人と推計される。旅行支出の考え方は、「増やす」が前年比2.0ポイント上昇して16.6%、「減らす」が同4.9ポイント下降して34.8%だった。

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