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公共施設に若者の学習スペース 松本市が積極開放

中央公民館の会議室で自習する若者たち

 松本市が、公共施設を若者の学習スペースとして積極的に開放している。利用ニーズの高まりを受け、中央公民館(中央1)でフリースペースを1・5倍に広げる改修を進めているほか、他の地区公民館では平日夜に会議室などを開放する方向で検討している。「若者に選ばれるまち」を目指す市の姿勢が表れている。

 中央公民館のフリースペース(42席)の昨年度の利用者数は4813人で前年度(3184人)の約1・5倍。多くは中高生や大学生で、満席時は会議室も開放している。隣の空き事務室までスペースを拡張する工事が月末には終わる予定で、電源付きのカウンター席を含む65席に増える。
 電車通学の帰りに週4回ペースで同館を利用するという小学6年生の女子(11)は「自宅だと集中しにくい。ここなら友達と一緒に勉強して、分からないテスト問題も相談し合える」と話していた。
 「人口24万人程度の維持」を目標とする市は、各所に「若者の居場所」を増やしている。3月末には、中央図書館の畳コーナーを学習用の「ティーンズスペース」に改装。来年10月に開業予定の村井駅の新駅舎にも、図書館機能付きの学習スペースを設ける方針だ。
 地区公民館では、小中学校の長期休みに会議室などを学習スペースとして開放する所が近年増え、35館中18館と半数に上っている。松南地区公民館(芳野)は7月下旬から、夕方から夜にかけての平日も開放する計画で、他館でも体制が整った所から実施したいとする。市生涯学習課・中央公民館の石川善啓課長は「若者にとって公民館が身近な存在となり、地域づくりに参加するようになるのを期待したい」と話している。